さがす 測定 ルーター
解説記事
※本ページはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト)を利用しています

LANケーブルと
リンク速度の真実

8芯中1本の罠

「Cat5eは1Gbpsまで」「いや2.5Gbps通る」「うちは100Mbpsしか出ない」──LANケーブルの話は詳しい人でも言うことがバラバラ。実は全員それぞれの経験では正しくて、規格の建前と現場の実態がズレているのが混乱の原因です。この記事で全部整理します。

1. リンク速度とは何か ── 実測より手前の「物理的な接続速度」

インターネットの実測速度の前に、もうひとつ手前の速度があります。リンク速度(リンクアップ速度)── PCとルーターが「この速度で通信しよう」と物理的に合意した速度です。

リンク速度が100Mbpsなら、回線が10Gプランでも絶対に100Mbps以上出ません。実測はリンク速度を超えられない。リンク速度は「配線区間の天井」です。
自分のリンク速度の確認方法

Windows:設定 → ネットワークとインターネット → イーサネット → 下のほうの「集計リンク速度 (送受信)」の欄(「2500/2500 (Mbps)」のように出ます。この場合は2.5Gbpsでリンク)。タスクマネージャー → パフォーマンス → イーサネット の右上でも確認できます

Mac:システム設定 → ネットワーク → 詳細 → ハードウェア →「速度」

ここが「100Mbps」になっていたら、犯人はほぼケーブルです。直し方は3章へ、理屈を知りたい方は6章へどうぞ。

速度は、経路の「いちばん遅いところ」までしか出ません 例:2Gbps以上のプランを契約している場合 認証 UNI 光回線 ONU LANケーブル① ルーター LANケーブル② 💻 パソコン ONU 10G ケーブル① CAT6A=10G WANポート 2.5G LANポート 1G ケーブル② CAT6A=10G パソコンのLAN 2.5G この例の天井 = ルーターのLANポート(1G) 2Gbpsプランでも、実測は最大940Mbps前後で頭打ちになります

緑=足りている箇所、赤=いちばん遅い箇所(=天井)。Wi-Fiの場合は「パソコンのLANポート」を「親機と子機のWi-Fi世代」に読み替えてください。

2. 切り分け手順 ── 実測95Mbps前後なら、ほぼ確定
有線で測って実測が90〜95Mbps付近に張り付いているなら、100Mbpsリンクに落ちているサインです(100Mリンクの実効速度はオーバーヘッドを引いて94Mbps前後が上限のため)。

切り分けは上から順に:

リンク速度を確認(1章の方法)→ 100Mbpsなら以下へ
LANケーブルを交換(新しいCat6推奨)→ これで直るケースが大半
③ 直らなければ別のLANポートに挿す(ルーター側・PC側両方試す)
④ それでもだめならPCのLANポート自体が100Mbps仕様の可能性(古いノートPCに多い)。仕様を確認
集合住宅で、ケーブルもポートも替えたのに90Mbps台のままなら、建物側がVDSL方式の可能性があります(この場合は部屋の中の工夫では直りません)

3. 買い替えるならこれ ── 用途別の最短ルート

ここまでの切り分けで原因が見えたら、直し方は単純です。ケーブルは迷ったらCAT6Aを選べば全規格に対応します(1Gでも2.5Gでも10Gでもそのまま使え、価格差もわずかです)。パソコンのポートが古い場合はUSBのLANアダプタを挿すだけで買い替え不要。間にハブを挟んでいる場合は、経路上の機器すべてが目的の速度に対応している必要があります(1台でも遅い機器があると、そこが天井になります)。

※ここから先は広告リンクです(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト)
100Mbpsの壁から抜ける(1Gbps化 ── 1Gプランの方はこれで解決)

LANケーブル(CAT6A)Amazon楽天ギガビットLANアダプタAmazon楽天ギガビットハブAmazon楽天

2Gbps以上のプランを活かす(2.5G化)

2.5G対応LANアダプタAmazon楽天2.5GスイッチングハブAmazon楽天LANケーブル(CAT6A)Amazon楽天

ルーターごと買い替える場合はWANとLANの両方が2.5G以上の機種を選んでください。片方だけ2.5Gの機種が多く、それでは速度の壁は解消しません。→ 対応ルーターだけに絞って探す(マジめたのルーター検索)

4. ケーブル規格とリンク速度の対応表
ケーブル規格保証されるリンク速度補足
Cat5100Mbps古い。見つけたら交換
Cat5e1Gbps(+規格上は2.5Gbps)現在の最普及品。※5章参照
Cat65Gbps(短距離なら10G)2.5G/5Gを確実にしたいならこれ以上
Cat6a10Gbps(100m)10Gプランならこれ
Cat7/Cat810G〜40G家庭ではオーバースペック気味

ケーブルの規格は被覆の印字で確認できます(「CAT.5e」「CAT6」等と書いてある)。

5. 「Cat5eで2.5G通る/通らない」論争の正体
規格の建前:通る

2016年にできたIEEE 802.3bz(2.5G/5GBASE-T)という規格は、そもそも「既設のCat5e配線のまま1Gbps超を通す」ために作られました。10Gbps(10GBASE-T)はCat6a必須で配線の張り替えコストが重すぎたため、変調を工夫してCat5eでも2.5Gを通せるようにした──これが規格の経緯です。

・2.5GBASE-T → Cat5e以上・100mで動作(規格上の仕様)
・5GBASE-T → Cat6以上・100m

メーカーの公式FAQでも「2.5GポートにはCat5e以上のケーブルを」という書き方が標準です。

現場の実態:落ちることがある

一方で「Cat5eだと1Gまでしか張れなかった」という経験談も本物です。よくある原因:

ケーブル品質のばらつき:Cat5e表記でも、古い製品・細径・フラットケーブルは規格ギリギリの品質のことがある。2.5Gは1Gより高い周波数を使うため、品質が低いとネゴシエーションに失敗して1Gへフォールバック
実はCat5だった:古い宅内配線でCat5とCat5eが混在しているのはあるある。印字を確認
ノイズ:電源ケーブルとの並走、長距離、ACアダプタの近くを通る配線などでエラー率が上がると速度が落ちる
NICやスイッチの相性:マルチギガのオートネゴシエーションは相性問題が知られている

結論:「規格上はCat5eで2.5G対応。ただし実環境では1Gに落ちることがある」が正解。両方の派閥が正しかったわけです。実務的な指針:2.5G以上を確実に使いたいならCat6以上の新しいケーブルを推奨。数百円〜千円程度の投資で切り分けの手間が消えるので、迷ったら替えるのが速いです。
6. なぜ100Mbpsに落ちるのか ── 8芯中1本の断線という罠

LANケーブルの中には8本の芯線(4対)が入っています。ここに面白い仕様があります。

100Mbps(100BASE-TX):8本のうち4本(2対)しか使わない
1Gbps以上(1000BASE-T〜10GBASE-T)8本(4対)全部使う

つまり、残り4本のうち1本でも断線・接触不良になると、1Gの合意が成立せず100Mbpsに落ちます。そして100Mは4本で張れてしまうので、「遅いけど普通に繋がっている」ように見える──これが気づきにくい"半死に"状態の正体です。
半死にの主な原因

RJ45コネクタの接触不良:一番多い。かしめの経年劣化、爪折れケーブルの緩み
物理的な断線:家具の下敷き、ドアの挟み込み、急な折り曲げで8本中1本だけ切れる
結線ミス:自作ケーブルで4,5,7,8番ピンが未結線(100M時代の省線ケーブルが残っていることも)

まとめ

・実測の天井はリンク速度で決まる。まずリンク速度を確認する習慣を
・Cat5e論争の正解は「規格上2.5G対応・実環境では落ちることあり」。確実にしたければCat6以上
100Mbpsへの転落は8芯中1本の断線で起きる。実測95Mbps前後の張り付きはほぼこれ
・迷ったらケーブル交換が最速・最安の切り分け
リンク速度は正常なのに、特定の測定サイトだけ極端に遅いときはケーブルではなく端末側。測定サイトで結果が違うのはなぜ?

📏 速度を測定する →
有線で測って、100Mリンクに落ちていないかチェックできます。

あわせて読みたい

速度の「なぜ」がわかる解説記事
Wi-Fiルーターの「最大○○Mbps」のカラクリ
P2P通信とNATタイプの関係
EasyMeshと独自メッシュの違い
まずは、測ってみよう。
今すぐ測定