インターネットの実測速度の前に、もうひとつ手前の速度があります。リンク速度(リンクアップ速度)── PCとルーターが「この速度で通信しよう」と物理的に合意した速度です。
Windows:設定 → ネットワークとインターネット → イーサネット →「リンク速度」の欄(または、タスクマネージャー → パフォーマンス → イーサネット の右上)
Mac:システム設定 → ネットワーク → 詳細 → ハードウェア →「速度」
ここが「100Mbps」になっていたら、この記事の4章へ直行してください。犯人はほぼケーブルです。
| ケーブル規格 | 保証されるリンク速度 | 補足 |
|---|---|---|
| Cat5 | 100Mbps | 古い。見つけたら交換 |
| Cat5e | 1Gbps(+規格上は2.5Gbps) | 現在の最普及品。※3章参照 |
| Cat6 | 5Gbps(短距離なら10G) | 2.5G/5Gを確実にしたいならこれ以上 |
| Cat6a | 10Gbps(100m) | 10Gプランならこれ |
| Cat7/Cat8 | 10G〜40G | 家庭ではオーバースペック気味 |
ケーブルの規格は被覆の印字で確認できます(「CAT.5e」「CAT6」等と書いてある)。
2016年にできたIEEE 802.3bz(2.5G/5GBASE-T)という規格は、そもそも「既設のCat5e配線のまま1Gbps超を通す」ために作られました。10Gbps(10GBASE-T)はCat6a必須で配線の張り替えコストが重すぎたため、変調を工夫してCat5eでも2.5Gを通せるようにした──これが規格の経緯です。
・2.5GBASE-T → Cat5e以上・100mで動作(規格上の仕様)
・5GBASE-T → Cat6以上・100m
メーカーの公式FAQでも「2.5GポートにはCat5e以上のケーブルを」という書き方が標準です。
一方で「Cat5eだと1Gまでしか張れなかった」という経験談も本物です。よくある原因:
① ケーブル品質のばらつき:Cat5e表記でも、古い製品・細径・フラットケーブルは規格ギリギリの品質のことがある。2.5Gは1Gより高い周波数を使うため、品質が低いとネゴシエーションに失敗して1Gへフォールバック
② 実はCat5だった:古い宅内配線でCat5とCat5eが混在しているのはあるある。印字を確認
③ ノイズ:電源ケーブルとの並走、長距離、ACアダプタの近くを通る配線などでエラー率が上がると速度が落ちる
④ NICやスイッチの相性:マルチギガのオートネゴシエーションは相性問題が知られている
LANケーブルの中には8本の芯線(4対)が入っています。ここに面白い仕様があります。
・100Mbps(100BASE-TX):8本のうち4本(2対)しか使わない
・1Gbps以上(1000BASE-T〜10GBASE-T):8本(4対)全部使う
① RJ45コネクタの接触不良:一番多い。かしめの経年劣化、爪折れケーブルの緩み
② 物理的な断線:家具の下敷き、ドアの挟み込み、急な折り曲げで8本中1本だけ切れる
③ 結線ミス:自作ケーブルで4,5,7,8番ピンが未結線(100M時代の省線ケーブルが残っていることも)
切り分けは上から順に:
① リンク速度を確認(1章の方法)→ 100Mbpsなら以下へ
② LANケーブルを交換(新しいCat6推奨)→ これで直るケースが大半
③ 直らなければ別のLANポートに挿す(ルーター側・PC側両方試す)
④ それでもだめならPCのLANポート自体が100Mbps仕様の可能性(古いノートPCに多い)。仕様を確認
・実測の天井はリンク速度で決まる。まずリンク速度を確認する習慣を
・Cat5e論争の正解は「規格上2.5G対応・実環境では落ちることあり」。確実にしたければCat6以上
・100Mbpsへの転落は8芯中1本の断線で起きる。実測95Mbps前後の張り付きはほぼこれ
・迷ったらケーブル交換が最速・最安の切り分け