さがす 測定 ルーター
IPv4 / IPv6

IPv4とIPv6
って何?

入門編・図解つき

回線の案内に必ず出てくるのに、説明が無いまま使われる言葉。速さとゲームに関係するところだけに絞って、図で説明します。

先に結論だけ

IPv4とIPv6は、インターネット上の「住所の書き方」が2種類あるという話です。難しい名前が付いていますが、回線を選ぶときに知っておきたいのは次の3つくらいです。

なぜ2つある?IPv4の住所が足りなくなったので、IPv6が作られた
どっちを使ってる?いまは両方が同時に動いていることが多い
速くなる?混み方が変わるだけ。回線そのものの速さは変わらない

そして、回線会社の案内に出てくる「IPv6対応」という言葉は、中身が1つではありません。ここがいちばん混乱するところなので、この記事では中身の見分け方まで書いています。

住所が足りなくなった、という話

インターネットにつながる機械には、1台ずつ住所が割り当てられます。この住所の書き方が IPv4 で、192.168.1.1 のように数字を4つ並べた形です。作られたのは1980年代で、用意された住所はおよそ43億個でした。

パソコンだけの時代はそれで足りていましたが、スマホ・ゲーム機・テレビ・見守りカメラと、1人が何台も持つようになって足りなくなりました。そこで住所の桁を大幅に増やしたのが IPv6 です。2001:db8:1234::1 のような書き方になります。

IPv4 の住所 約43億個 📱 🎮 📺 💻 もう空きが無い つなぐ機械が増え続ける IPv6 の住所 340澗(かん)個 (点はごく一部です) 📱 🎮 当分なくならない量 まだまだ入る

IPv6の個数は「340澗(かん)」と書かれることがあります。読み方が分からなくて当然の単位で、要するに数え切れない量が用意された、くらいの理解で困りません。

いまは両方が同時に動いている(デュアルスタック)

IPv6ができたからといって、世界中のサイトが一斉に引っ越したわけではありません。IPv6にしか対応していないサイトもあれば、IPv4のままのサイトもあります。そこで多くの回線では、IPv4とIPv6の両方を同時に使えるようにしてあります。これをデュアルスタックと呼びます。会社の案内に出てくる言葉です。

🏠 あなたの家 IPv4 で IPv6 で 📦 📦 IPv4だけのサイト ゲーム関係の多くもこちら IPv6に対応したサイト Google・YouTube・Netflix PlayStation公式 など 行き先ごとに 自動で選ばれる

どちらを使うかは、開いたサイトに合わせて自動で決まります。利用する側が切り替える操作はふつう必要ありません。

実際にどっちなのか調べてみた

よく使うサービスが IPv6 でも行けるのかを、2026年9月14日に実際に調べた結果です。

IPv6 でも行けるGoogle/YouTube/Netflix/Amazon/Apple/Microsoft/Facebook/Instagram
まだ IPv4 だけX(旧Twitter)/Yahoo! JAPAN/楽天/LINE/メルカリ/NHK/JR東日本/GitHub
ゲーム関係はどうか
IPv6 でも行けるPlayStation 公式/Xbox 公式/EA(Apex)/カプコン/バンダイナムコ/Cygames
まだ IPv4 だけSteam/Epic Games/フォートナイト/Riot(LoL・VALORANT)/マインクラフト/原神/FF14/Discord/Twitch/任天堂
この表の読み方に注意があります
ここで調べたのは各社のウェブサイトのアドレスで、ゲームの対戦サーバーそのものではありません。ゲーム機やゲーム内の通信が実際に何を使っているかは、これだけでは分かりません。あくまで「世の中の対応ぐあい」の目安として見てください。また、対応は時間とともに変わります。

それでも傾向ははっきりしていて、ゲーム関係はIPv4のままのものが多いという結果でした。「IPv6にしたのにゲームでは変わらない」「むしろ調子が悪くなった」という話が出てくる背景には、この事情もあります。くわしくはIPv6にしたのにゲームだけ不調なときにまとめています。

「IPv6対応」と書いてあっても、中身は同じではない

ここが、回線を比べるときにいちばん食い違うところです。会社の案内に「IPv6対応」とあっても、実際の作りは大きく3つに分かれます。

IPoE(v6プラス・transixなど)フレッツ光系。混みやすい入口を通らない作り
PPPoE昔からある入口。夜に混みやすいと言われる作り
DHCPv6-PDケーブルテレビ会社に多い。対応ルーターが要る
🏠 あなたの家 同じ「IPv6対応」でも、通る道が違う 📦 📦 📦 IPoE(v6プラス・transix など) フレッツ光系。混みやすい入口を通らない作り PPPoE 昔からある入口。夜に混みやすいと言われる作り DHCPv6-PD ケーブルテレビ会社に多い。対応ルーターが要る

名前が違うだけでなく、必要な機器も、ゲームでの振る舞いも変わります。たとえばケーブルテレビ会社の方式では、市販ルーターの対応・非対応が分かれます。うちで4機種を実際につないで確かめた結果はこちらの記事にまとめています。

会社ページの「会社の紹介」に書いてあります
マジめたの会社ごとのページでは、その会社が公式にどう説明しているか(方式・必要な機器・申し込みが要るかどうか)を、公式サイトの記載そのままで載せています。
PPPoE は「門」で詰まる

PPPoE では、同じプロバイダーの契約者が同じ門を通ってインターネットへ出ます。この門のことを網終端装置と呼びます。門の数は決まっていて、通る人が増えれば当然そこで待ちが出ます。夜9時ごろに遅くなるのは、たいていここです。

🏠 🏠 🏠 同じプロバイダーの家 📦 📦 📦 網終端装置 🚗🚗🚗 📦 🌐 インターネット 夜はここで待ちが出る

門が混んでいるだけなので、回線を1Gから10Gに変えても、ここが詰まっていれば速くなりません。「プランを上げたのに変わらない」という話の原因がこれのことがあります。

IPoE は門を通らない

IPoE は、この門を経由せずにインターネットへ出ます。門の混雑をそのまま飛ばせるので、夜の落ち込みが小さくなります。「IPv6にしたら夜が速くなった」と言われるのは、正確には「IPoE になったから」です。

🏠 あなたの家 PPPoEの門 (通らない) IPoE = 門を通らない道 📦 📦 🌐 インターネット

会社の案内では「v6プラス」「transix」「IPv6オプション」「バーチャルコネクト」など、名前がばらばらです。呼び名は違っても、どれも IPoE の仲間だと思って読んで大丈夫です。

「IPoE」には2通りある

同じ「IPoE対応」でも、IPv6だけが IPoE なのか、IPv4 まで IPoE なのかで中身が変わります。ここを分けて書いている案内はあまりありません。

① IPv6だけ IPoE(v6プラス・transix など) 🏠 IPv6 = 自分専用の入口 門を通らない・混雑に強い 📦 IPv4 = 大勢で相乗り 住所を分け合う(👥👥👥) 📦 ゲームのP2Pや ポート開放で 困ることがある ② IPv4 まで IPoE 🏠 IPv4 も IPv6 も 自分専用の入口 相乗りしない 📦 📦 相乗りしないので その困りごとが 起きない

①が多数派です。フレッツ光や光コラボで「v6プラス」「transix」「バーチャルコネクト」と呼ばれているものは、IPv6 は専用の入口を通り、IPv4 は他の人と住所を分け合う形です。この相乗り(CGNAT・IPv4共有)が、対戦ゲームのP2Pやポート開放で引っかかる原因になります。

②は、自社のネットワークを持っている会社に見られます。たとえば静岡県の TOKAIケーブルネットワーク は、公式に「IPv4 over IPv6 を使用せずに IPv4 でも IPoE 方式で接続することが可能」と書いています。相乗りしないので、①で起きる困りごとが起きません。

どちらなのかは会社の案内に書いていないことが多いです
「IPv6対応」「IPoE対応」としか書かれていない場合、①なのか②なのかは案内からは分かりません。このページでは、公式にはっきり書いてある会社だけを例に挙げています。書いていない会社を推測で分類することはしません。
入口の3つを並べるとこうなります
PPPoE夜は混みやすい/グローバルIPv4は自分専用になりやすい/ポート開放はしやすい
IPoE(IPv6だけ)夜に強い/IPv4は相乗り/ポート開放が効かないことがある
IPoE(IPv4も)夜に強い/IPv4は相乗りしない/ポート開放の制限を受けにくい

どれが正解ということはありません。動画やWebが中心なら IPoE(IPv6だけ)で十分ですし、対戦ゲームやポート開放を使うなら IPv4 がどうなっているかを見たほうがいい、というだけです。くわしくはIPv6にしたのにゲームだけ不調なときグローバルIPって何?にまとめています。

案内によく出てくる言葉

回線会社の案内を読むと、説明なしで出てくる言葉があります。意味だけ置いておきます。

デュアルスタックIPv4とIPv6の両方が使える状態
ネイティブ方式IPv6をそのまま流す作り(IPv4に包まない)
/64・/56配られるIPv6の住所の「まとまりの大きさ」。/56のほうが広い
パススルールーターがIPv6を素通しさせる設定
グローバルIP外から見える住所。共有か、専用か、固定かで違いが出る

/64 と /56 は、家に配られる住所の「区画の広さ」のようなものです。/56 のほうが広く、家の中をいくつかのネットワークに分けたいときに効いてきます。ふつうの使い方では /64 で足ります。

IPv6にすると速くなるのか

「IPv6にしたら速くなった」という話をよく見かけますが、住所の書き方が変わったから速くなったわけではありません。フレッツ光系で速くなったと言われるのは、IPv6と一緒に IPoE という別の入口を通るようになるからです。その仕組みは上の「PPPoE は「門」で詰まる」と「IPoE は門を通らない」で図にしています。

効かない場合もあります
もともと混んでいない時間帯や、混雑以外の原因(宅内の配線・Wi-Fi・ルーターの処理能力)で遅い場合は、IPv6にしても変わりません。どこが原因かは実際に測ると切り分けやすくなります。

ケーブルテレビ会社のように、もともとIPoEという言葉を使わない回線もあります。その場合は「IPv6に対応したから速くなる」という関係にはなりません。

ゲームやポート開放に関係するところ

IPv4の住所が足りないので、いまは1つの住所を複数の家で分け合うやり方が広く使われています。速度には出にくいのですが、対戦ゲームのマッチングやポート開放では、この分け合いが問題になることがあります。

動画・Web・ダウンロード分け合っていても、ふつうに使える
対戦ゲーム・通話(P2P)つながりにくくなることがある
ポート開放・自宅サーバーできないことがある

仕組みと確かめ方は、それぞれ別の記事にしています。P2P通信とNATの関係ゲームだけ繋がらない原因の見つけ方IPv6にしたのにゲームだけ不調なとき

いま自分がどうなっているか
1いまIPv6で通信しているかを見る → IPv6接続チェック
2契約している会社が公式にどう説明しているかを見る → 会社ごとのページ
3速さが出ているかを実際に測る → 回線速度を測る

「契約ではIPv6のはずなのに、実際はIPv4で通信していた」という食い違いもあります。1番はそれを見るためのページです。

自分の回線はいまどうなってる?
回線速度を測る